Pedro Lopes氏のトークに参加しました

最近EMSに関心があるという話をしていたら、こちらのツイートを紹介されました。

ウェルカム感があったので、トークを聴きに行きました。

 

EMSとは

Electrical Muscle Stimulationのことです。

簡単にいうと刺激したい筋肉を電流が流れるように2枚の電極パッドを貼ります。

これで電気が流れた時、屈筋なら縮み、伸筋なら伸びます。

 

今回はそのEMSの研究をしているPedro Lopes氏のトークでした。

Pedro氏の研究内容については以下のHPを参照してください。

 

Wearable force feedback

まず紹介されたのは以下の研究事例です。

EMSによって触覚を再現するというものです。

ハプティックによってVR HMDで見たものをbelievableにすると言っていました。

 

Impacto

殴られた感覚や殴った感覚を再現することでVRボクシングなどが可能です。

瞬間的な触覚の再現。

 

VR Walls

壁の触覚を再現したり、継続的な触覚を再現することが可能です。

キューブを掴んで運ぶということもできます。

これらは複数の筋肉を刺激することで実現できるそうです。

キューブならwrist、shoulder、tricepsの筋肉。

 

EMSでは継続的な触覚は再現できないと思っていたので、驚きました。

メスによる切皮の感覚なんかを再現できたら手術のシミュレーションとかもできそうですね。

 

proprioceptive interaction

次に紹介された3つの事例では触覚技術をどう応用するかというものでした。

 

proprioceptionは日本語では固有受容感覚というらしいです。

目を閉じていても、自分の手足がどこにあるかだいたいわかる感覚です。

 

Pose-IO

動画が進むにつれて手の傾き上がります。

逆に手の傾きを変化させることで動画のシークバーを操作できるそうです。

Proprioceptive Interaction

 

affordance ++

物体をどう操作するかをハプティクスでユーザに提示することができます。

 

スプレー缶を握った瞬間に手首が振られるような刺激を与えることで、ユーザにスプレー缶を使う前に振る必要があることを伝えられるなどです。

 

 

ここではユーザに以下のようにアフォードしていました。

  • motion: どう動かすべきか
  • order of step: どのような順番で操作すべきか
  • hidden state: どのような状態か(コップのハンドルだけが握ることができるようにすることで、熱いことを示唆)

 

Muscle Plotter

これまでのEMSは瞬間的なものでした。

これからは継続的な刺激を与えることで一連のタスクをユーザに示唆することができます。

 

例えば車の絵を書いたのちに、

WINDTUNNEL 10とペンで書くとコンピュータがコマンドを理解して、車に合わせた風洞やグラフを描くようにペンを持っている手を刺激します。

 

まだブレが生じるものの、avarage errorは4mm程度でした。

 

EMSの利用先

  • rehabilitation
  • tereoperatiion
  • training
  • immersion
  • information access

 

Mechanics VS EMS

機械による触覚提示(外骨格的なやつ、以下Mechanics)とEMSの違いについても触れました。

 

Mechanicsの特徴

  • good: 精度
  • good: 超人間的な力
  • bad: デバイスが巨大
  • bad: 消費電力

 

EMSのアドバンテージ

  • good: 携帯性、ウェアラブル性
  • good: 省電力
  • good: coverage(体のどこの筋肉にも対応できる)
  • bad: パワーが人間の限界に準じる

 

EMSは細かく電極を貼ってそれぞれの筋肉を刺激すれば多彩な動きを再現することが可能らしいです。

これも驚きでした。

ただし深い位置にある筋肉をどう刺激するかについては、インプラント手術をするか、針を刺すか、まだまだ検討が必要だなと感じました。

 

その他のハプティックデバイス

トークの間にいくつか紹介していたので、メモできた分を残しておきます。

  • Robot Graphics
  • Phantom
  • Lightweight Exo
  • SPIDER-W

 

この分野の学会

論文を探すときはここら辺を対象にすると良さそうです。

  • CHI
  • UIST

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