文献管理アプリの移行で吐きそうになった件

文献管理アプリとしてオススメされたPapers 3をフリートライアルで使っていました。無料期間終了後に課金したのですが、何かとややこしかったので覚え書き兼恨み辛み。

Papers 3とは

文献管理アプリです。

いくつか特徴があるかと思いますが、気に入った点。

  • 手元のPDFを放り込んで、書誌情報補完機能を使うとタイトルや著者名から一致する論文を探してきて情報を取り込んでくれる
  • Collectionというフォルダに近い概念と、複数付けられるTagによる論文の区分
  • 論文のPDFはDropbox経由で同期されるのでiPad、Mac bookで行き来しやすい
  • 論文以外のPDF資料(発表スライドとか)も突っ込める

イマイチな点

  • iPadアプリで書いた文字をデスクトップアプリで見ると線がガビガビ
  • 消しゴムツールがないので、文字を消す時はUndo or まとめて消す(1回の書き込みで書いたものが1塊扱い)
  • 論文検索の表示順位がイマイチ(arXivやGoogle Scholarと比べて納得感がない)

ReadCubeとは

Papers 3の運営元がReadCubeらしいです。

で、なんか似たようなアプリReadCube PapersとPapers 3を出している。当時何が違うか理解してませんでしたが、知人に勧められたPapers 3をインストールしました。

http://support.readcube.com/support/home

今になって見返すと、Papers 3からReadCube Papersへの移行方法を解説してあることから新旧アプリの移行時期だったかなと納得しかけました。

http://blog.readcube.com/post/165237712272/glimpse-into-the-new-readcube-papers-app
https://support.readcube.com/support/solutions/articles/30000030792-how-do-i-transfer-my-papers-3-library-into-readcube-papers-

しかし実際のところは、PapersとReadCubeはもともと別モノで、2016年3月にReadCubeがPapersを買収したようです。

ReadCube, a software developer serving researchers, publishers, academic and commercial organisations, has acquired Papers from global academic publisher Springer Nature. 

ReadCube acquires Papers from Springer Nature

つまり図にするとこんな感じ。もともとSpringer Natureが開発するPapersというアプリとReadCubeが開発するReadCube Papersというアプリがありましたとさ。ユーザとか機能の取り込みのため、ReadCubeがPapersを買収。

自社のReadCube Papersに一本化するためにPapers 3からの移行をユーザに勧めている、という話。

理解してない奴の身に何が起きたか

そんな背景は露知らず、Papers 3のフリートライアル期間が終了しもっと使いたければお金払ってねと出てきた。

使い続けたかった私は課金をすることにしました。「Go to Store」をクリックして開いたWebページのBUYをクリック。

ギリギリ学生なので学生アカウントを購入。当然これでPapers 3使えると思いますよね。まぁこの段階でウェブページのアイコンがReadCubeであることに少し違和感を覚えてはいた。

https://www.papersapp.com/pricing/

Papers 3 for Macを開く、Activateをクリックする、シリアルナンバーを打とうとする、シリアルナンバー探す、ない!

先ほど登録したページのマイアカウントをどれだけ探してもシリアルナンバーを探すが見つからず、サポートに連絡する。

「Papers 3の試用期間切れたから有料アカウント買ったんだけどシリアルナンバーがわかりません。」

なんと私が購入したアカウントはReadCube Papersのアカウントだったのだ。ナンダッテ—。

私はまんまとPapers 3 → ReadCube Papersのベルトコンベアに乗せられてしまったのだ。

アプリ内の課金案内に従ったら別のアプリに課金させられるなんてことある?あったよ。

仕方ないのでiPad版ReadCube Papersをインストールして、Papers 3に保存してた論文を復旧することにする。

Papers 3からReadCube Papersへの移行

公式のヘルプに沿って進める。

ReadCube Papers Import Utilityというのをダウンロード、インストールして使う。(なんでやねん、アイパスで通せや。)

そこそこ永遠に近い時間を待機する。

終わった。

書き込みは死んだ

やれやれ、無事論文の移行は完了したな、と確認。

from Papers 3

to ReadCube Papers

ハイライトは残っているが、書き込みは意味不明な消え方をしていた。何が起こった。

良い点・悪い点

まだ全然触ってないけど、ReadCube Papersの良い点・悪い点を書いておきます。

良い点

  • 打ち消し線、下線など機能が増えた
  • 文字を書きやすい(ハネ・ハライの表現もできる、要らんけど)
  • 文字の消去が1画毎になった(Papers 3ではまとめて全部消える)

悪い点

  • まとめて消す機能がない(文字を1画ずつ消さないといけない、消しゴム機能をください)
  • デスクトップ版がない(ウェブ版はある)
  • 書誌情報の補完機能がない?

なおデスクトップ版は2019年にリリース予定。

https://www.papersapp.com/download/

文字の書きやすさが結構良いだけに、消すのが面倒なのが残念。書誌情報の補完機能は必須だと思うので何とかして欲しい or ちゃんと見つけたい。

あと、とにかく導線が分かりづらかった。カンパニーページとウェブアプリは分けて欲しい。

Papers 3のアプリから飛ばしたアカウント購入ページがReadCube Papersなのは本当に酷い。

なお、Papers 3を使い続けていた人的には改悪だった模様。

https://itunes.apple.com/us/app/readcube-papers/id864042981
https://itunes.apple.com/us/app/readcube-papers/id864042981

参考

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